花咲くいろはのストーリー
第一話 十六歳、春、まだつぼみ 緒花は毎日、つまらないと思うよな生活を送っていた。何かドラマチックな展開にならないかなぁって。
あるひ、緒花の母が、突然夜逃げをすると言い出した。
変わらない日常に退屈し、ドラマチックな展開を夢見ていた緒花にとって思いがけない転機であった。
祖母が経営する旅館「喜翆荘」へとたどり着くが、そこで待っていたのは、厳格な祖母・スイと中居としての仕事だった。慣れない仕事の中、厳しい祖母に叱責され、ドラマチックとは程遠い現実に涙ぐむのだった。
第二話 復讐するは、まかないにあり 中居の仕事を覚えていこうと頑張る緒花だが、自称売れっ子小説家の次郎丸から重要な原稿を処分されてしまったとクレームを付けられてしまう。母の教えで他人に頼らないようにしていた緒花だったが、先輩仲居の菜子と板前見習いの民子と打ち解けようと、二人に気持ちをぶつける。次の日、処分された原稿を偶然発見するが、その中身は官能小説だった。
第三話 ホビロン 次郎丸に捕まった緒花は、才能がないと悩む彼に、緒花をモデルとした官能小説の感想を求められる。
そうしている間に、彼が宿代を踏み倒そうとしていた事が従業員にバレ、次郎丸は喜翆荘の軽トラで逃亡。
さらに海で投身自殺を図るが、菜子に救出され事なきを得た。緒花に「才能がある」と励まされた次郎丸は、滞納していた宿代を返済するため、執筆をしつつ喜翆荘で働くこととなった。
第四話 青鷺ラプソディー 新学期が始まり、緒花は菜子達と同じ学校に通うことになった。
有名温泉旅館「福屋」の一人娘の結名とも友人となるが、唯一民子とは距離が開いたままだった。
いつもからかってくる板前の徹をネタにして距離を縮めようとするが、その時民子が徹に片思いしていることに気付く。
しかし翌日、結名と徹がバイクで出かけていく姿を目撃してしまう。
第五話 涙の板前慕情
「喜翆荘」内では、徹が「福屋」に引きぬかれたという噂で持ちきりになり、特に民子が激しいショックを受ける。民子の気持ちを知る緒花は、徹を連れ戻そうと「福屋」に怒鳴りこむ。しかし実際は助っ人として呼ばれただけであり、結名と出掛けたのもバイクに乗せて欲しいと頼まれただけであった。この一件で、民子との距離もようやく近づいたのだった。
第六話 Nothing Venture Nothing Win 緒花の叔父・緑は、経営が苦しい「喜翆荘」を立て直そうと、経営コンサルタントの川尻と共に毎月色々なアイデアを講じている。今回は中居の服装をチャイナドレスへと変更するが、客からも中居からも不評を買ってしまう。緒花も経営をどうにかしようと考えていると、営繕の電六から着物を渡され、割烹着姿での営業は好評を得る。これは昔スイが考案したものであり、若い頃は緒花同様やんちゃな性格なのだった。
第七話 喜翆戦線異状なし
玉の輿にも乗れず、未だに独身の中居の巴。心配した母から見合いを勧められる。後日、サバイバルゲームが趣味の常連達が現れた。常連故に尾行や覗きなどの迷惑行為を中々咎めることが出来なかったが、仕事を辞める口実にするため、巴は彼らの行動を妨害する。しかし、彼らは「真面目にゲームに付き合ってくれた」として巴を絶賛。緒花達からも尊敬され、これからも仕事を続けようと決意する。
第八話 走り出す
お客が少なく、経営面で困っていた「喜翆荘」だが、ある日飛び込み予約の客が偶然殺到する。
そんな中、四十万 スイが持病が悪化し、倒れ入院してしまう。川尻 崇子が経営コンサルの立場的に、ミステリーショッパーが客に紛れ込んでいると言い出し、「喜翆荘」の経営を立て直すためには、調査員を特別にもてなすことだと、いい始める。しかし、肝心の板長である富樫さんが、緊張のあまりかちこちになってしまい、緒花は休暇で結婚しに出ている宮岸を探すべく金沢駅からしいのき迎賓館までダッシュってパワフルに走り回る。
第九話 喜翆荘の一番長い日
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